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注文制作|肖像画・人物画を描く


油絵肖像画や人物画に関する
注文制作時の研究となります。
私の作品を注文制作された場合に一番心掛けていることは、一般的な購入プロセスと少し違います。
それは権威のある画商や評論家の後押しに関わらず、お客様にとって本当に価値のある作品を描くことが何よりも大切だということです。
これは画家としての目標でもあります。

注文制作|女性の肖像画・人物画を描く


注文制作1|女性を描く|油絵肖像画

こちらの人物肖像画、注文制作品例を最初に手掛けたのは実は20代の後半なので、随分と前の作品です。
その当時は、私は普通の仕事をしつつ、時間のある時に趣味で油絵を描いていました。
そして未完成のまま放置していたのですが、20数年振りに加筆しました。
油絵はこうして加筆することが出来やすい画材です。
加筆の時には、ルツーセという油を表面に塗って、下の絵具と馴染ませるのがおすすめです。
技術面ではそれ程当時と大きくは変わらないのですが、知識や感性、経験には差が出ますので、元々のテイストも残しながらの加筆となりました。
油絵の加筆は、足し算となりますので、絵の具のボリューム感を上手く利用し、作品の中での見せ場を作る事も意識しました。

注文制作2|女性を描く|油絵肖像画

次に紹介する作品はこちらの人物肖像画、注文制作品例では、一度大まかに色を乗せて、それからしばらく間を置いて加筆しました。
油絵の場合は、絵の具がある程度まで乾くのに1週間程度かかります。
厳密に言うと、溶き油の種類にもよりますが、完成時には2~3か月から半年乾燥させる画家もいます。
作画中の場合、絵の具が乾いてからの加筆というのは1週間ほど間を置いてからの加筆が一般的です。
そこがこの画材の特徴なのですが、逆に言うと乾燥の遅さを利用することも可能です。
キャンバスの上で絵の具を混ぜるウェット・イン・ウェットという技法などがそれに当たります。
アクリル絵の具でも同様の事は可能ですが、油絵は乾燥時間が長いので色々と確認しながら筆を進める事が出来ます。
尚、乾燥時間はある程度コントロール可能です。
油絵の場合は、シッカチーフを代表とする絵の具の乾燥を早める調合材があります。
アクリル絵の具の場合は、逆に感想を抑えるメディウムがありますが、ある程度限界があります。
油絵に関しては、個人的にはあまり速乾材は入れない様にしています。
逆にアクリル絵の具は、本当にすぐに固まるので、ある程度その様なメディウムを入れます。
また、油絵の様にボリューム感のある質感にするために、モデリングペーストなどのメディウムも混ぜる事が多いです。
改めてこちらの作品ですが、光を意識して描いてみましたが、かなり写真っぽくなってしまいました。
私は写真そっくりに描くタイプではなく、内面を同時に表現したいと考えています。
その点に於いては、少し元の写真に忠実に全体的なディテールまでを描き過ぎたかなという反省点がみつかりました。
問題点がクリアになると一気に作品のレベルが上がる事は多いので、今後の教訓に出来ると思います。

注文制作|子供、親子の肖像画・人物画を描く


注文制作|子供を描く|油絵肖像画


子供の油絵人物肖像画、注文制作品のサンプルです。
肖像画購入ページでも触れておりますが、
こちらの作品は肖像画というよりは、人物メインの作品と言った方がいいかもしれません。
肖像画と言うと、モデルが正面または斜めで、視線を真っす国こちらに向けているイメージがあります。
また、背景は人物を引き立てることを一番の目的に、明暗のみの表現などが一般的でしょう。
一方で人物画はより幅広い表現で、モデルの視線は敢えて外している印象があります。
その方が周りの風景に上手く人物が溶けみ世界観が作りやすい気もします。
背景も明暗のみではなく、その作品全体を更に説明する役割も担います。
私は、『水彩タッチ』の肖像画作品などを通じ、この様な日常の何気ない一コマを作品に昇華出来れば嬉しいと考えています。

注文制作|親子を描く|油絵肖像画1

こちらの作品は、2018年の地元の芸術家公募展に出品した作品です。
この公募展を企画運営している方とご縁があり、注文制作のサンプル作品として出品させて頂きました。
公募展の広報として、新聞等のメディアにも紹介してくれたので、初出品でありながらも受賞させて頂きました。
タイトルを『春の訪れ』としましたが、明るい光の表現と、人物画としてのクオリティに加えて、
似顔絵としてのスキルとを全て入れて、愛らしい作品に仕上げようとしました。
特に光の表現を意識しておりまして、これはこのページで紹介している他の作品にも共通するものです。
因みに、この作品はヒルナンデス!の私の紹介動画にも使って頂きました。
ヒルナンデス!に出た時のエピソードは別の記事に書いていますので、良かったらそちらも見て下さい。

注文制作|親子を描く|油絵肖像画2


こちらの作品も注文制作のサンプルの意味合いも兼ね、先程の地元公募展に2021年に出したものです。
一連の作品は、同じモデルを使って、同じような表現方法を敢えて使って描いてますが、
この作品で、この描き方のある程度の最終系と考えています。
ある程度は、写実的で、似顔絵の要素もあり、人物画としてのオリジナル表現としてはある程度自分の意図に沿った画風です。
色の表現が鮮やかなのも意識していました。
この作品以降は、テーマに『癒し』の要素を意識したのもあり、色彩をより穏やかに表現できる水彩画に切り替えました。
作品全体の印象をより自分の意図する表現に近いのが水彩画だったわけです。
こちらは『水彩タッチ』の肖像画というスタイルで注文制作しております。
今後はその画風を追求していきたいと考えています。

まとめ|注文制作|肖像画・人物画を描く

今回は過去に注文制作依頼のあった作品と同等のクオリティの作品を使い、過去作品を加筆した経緯を紹介いたしました。
注文制作時には気付かなかったり出来なかったりすることがあります。
メリットとしては、時間を置くことでそこが明確になり、最終的に完成度の高い作品に仕上げることに繋がります。
そして、その壁を越えられる成功体験がほぼ確実に得られます。
これは油絵の肖像画や人物画の注文制作に限らず、お客様の似顔絵を描く際にも、同じ理由で時間を置くようにしています。
より完成度の高い作品をお客様に届けるためには客観的に自分の作品を見る時間はとても大切です。
話を油絵に戻しますが、油絵はやはり技術面と知識の両方をしっかりと持ってないと意図するように表現することは難しいと思います。
注文制作時には、根気のいる作業になりますが、そこが逆に自分にとっての贅沢で豊かな時間だと感じている次第です。
油の独特な香りもその世界に引き込んでくれます。
油絵を描く時間は芳醇かつ贅沢な時間であることに違いはないのです。
似顔絵を始めて11年目、油絵を始めて40数年になりました。
その意味では、改めてその知識と技術を総動員してオリジナルの画風で注文制作を受け、皆様を魅了していきたいと考えています。

こちらの記事は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございました!
